“綺麗な星空と流星が観たい”、“富士登山したい”、“どこか日本アルプスへ登って美しい雪の山並みを見てみたい”との女房蛙の望みを一挙に叶えるチャンスだと、13日~15日に、昼神温泉に近い伊那の阿智村「ヘブンスそのはら」という1400mの山上での日本一綺麗な星空観測、ロープウェイで登る標高2600mの駒ヶ岳千畳敷カールの探索、富士山五合目までバス登山というキャッチフレーズにひかれて、ある旅行社のツアーに参加した。混雑を避けてGW明けの5月7日出発予定を予約したが、催行人数不足?のキャンセルで13日出発にずれ込む。1週間前から、旅行日程の頃は天気予報は雨マーク。今は狂うことがない天気予報にも、もしかして晴れ間が出るかもと願ったが・・・予報通り、雨・雨・雲の三日間の変な旅行でした。温泉旅でもないのに、参加者は殆どが高齢者なのは何か不思議な感じ・・・天国に近づくことを夢見てか。
一日目:雨の中をバスで走って着いたホテルでの夕食後、また雨の中、星空なんて見えないのは分かっていながら、室内灯のない真っ暗な6人乗りのロープウエイ(ゴンドラ)に女房蛙と二人(若いペアならグッーかも)暗い山間を15分間揺られて、会場となるはずの標高1400mの富士見台高原の「ヘブンスそのはら」へ。会場には、我らツアー客の希望者10名の他に5、6人の客だけ。星空が見えないときは、ロープウエイ駅建物内か外でイベントがあるということだったが、星兄(ホシニイ)さんと名乗る解説者からプロジェクターを用いた星座の話が30分。何のためにロープウエイに乗ってきたの?と思いながらまた昼神温泉のホテルに帰って温泉を楽しんだ後就眠。何これ?でも思いもしなかった経験だった。
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二日目:雨は降ったりやんだりの中、一般車両の乗り入れ禁止の”菅の台”からロープウエイ乗り場の”ひらび平”まで中央アルプス路線バスで登り、駒ヶ岳ロープウエイで2600mの山頂駅まで1000mの標高差を7分半で登る。途中はほとんど雲の中で、到着した山頂駅の建物の外に出ると雨雲の中。しかも、出たところから雪が積もっていて深いところは積雪180cmとか。風は少しあってやはり寒い。20人程の若いスキー客が雲の中に消えていった。ここから上へ登って滑って降りてくるそうだ。景色が見えない窓辺でコーヒーを飲んで30分ほど過ごして下山し、車山のホテルで一泊。その夜、少し晴れ間が見えたので星を探したが、満月に近い月の光もあって星は見えず。その日も変なアルプス経験だった。
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三日目:雨は止んだ。ホテルの部屋から東の方向に八ヶ岳連峰が見れる。今日は期待できそう。富士吉田市内を走る車窓から雲間に富士山の雪の斜面が一瞬見え、富士登山の期待は高まった。しかし、その後富士山は雲の中。忍野八海で天然記念物の富士山の伏流水を水源とするという湧水池を見物した後、もちろんバスで富士スバルラインを通って富士山五合目へ。途中、富士山はまったく見えず、周りの視界も樹木に遮られたまま。五合目に到着すると、ゆっくり流れる雲の中。ときどき建物も道路も見失うほど雲は厚く、富士山頂なんて見るのは無理。富士山や下界の景色を見るのをあきらめていたら、下山のためバスが動き出して数分ほどして富士山頂が顔を出した。ドライバーも気をきかして位置を確保してくれて写真は撮れた。富士山の頭が見えたというだけなのにで何か鬱憤が晴れたような満足感。変な富士登山だった。
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このツアーでは、観光船での恵那峡めぐり、2019年にできた天竜峡をまたぐ天竜峡大橋の桁下の遊歩道(「そらさんぽ」)、苔と自然林で知られているらしい“白駒の池”も訪れたが、すべて雨の中で、いい写真も撮れず。というか、やはりその余裕がなかったてことか。